ダイキン上下分割のエアコン
今回ご注文いただいたエアコンはダイキン F25ETDS-W
化粧板をドレンパンの位置で上半分に持ち上げて外すタイプです。
一度賃貸マンションに設置されているのを洗いましたが,分解の仕方が分かりませんでした。ダイキンに電話しましたが,「それは分解できません」という返事でした。ダイキンのエアコンは化粧板を外すとたいてい注意書きがあります。「エアコンを洗浄される場合は,電装部,モーターなどを全て取り外してください。外さずにクリーニングした場合,絶縁不良などで故障の恐れがあります・・・」みたいな文面です。
メーカーが外れないって言うんだから仕方ないと思って,そのときは念入りに養生して洗いました。ファンのモーターはそれほど心配しませんでしたが,ルーバーのモーターは浸水しやすい位置にあり,それがとても恐かったのを覚えています。
時間がかかりましたが,今回は無事に下半分を降ろすことができ,構造が理解できました。まずは電装部から行きます。
電装部は左の写真の丸のビス1本と後側の爪で固定しているので,もろもろを外せば簡単です。ルーバーモーターやファンモーターのコネクタも外しておきます。ここから出ている白ACコードの余分がたいていドレンパンの後ろで処理されていて,それに余裕がないと電装を引き出しにくいでしょう。
ですから設置状況によりここですでにギブアップということもあるかもしれません。
無事に電装が外せると,熱交換器の枠から下に向かって固定しているビスが四隅にあります。そのうちの1本が右写真の丸印です。これがドレンパンごと下のパーツを全て固定しています。
理論的には,この4本が外せれば下半分は下ろせるのですが,背面にしっかりした爪があり,据付板に掛かっています。なので,室内機全体を浮かせるぐらいの気持ちで爪を外す必要があります。集中力を高め,力は入れつつも慎重に外してください。
ドレンホースは金属リングを利用して単純にはまっているだけでした。
こうしてドレンパン,下半分の化粧板,モーターとファンが床に降ります。
下ろした部分も組み立て部品になっており,もっとたくさんビスを外して化粧板なども外すことができます。状況にもよりますが,カビの発生する箇所ではなく,ほこりがたまる程度ですのでこのまま洗うだけでも良いと私どもは判断しました。
左の丸印はルーバーのモーターですが,こうして降ろしてから外すのが楽です。正面の大きいほうを1本外せば金属パーツごと抜けるようになっています。万が一ドレンが降ろせない場合でも,正面からのビスですので,このモーターだけは外したほうが安心ですね。
ファン用は初めて見るモーターです。これはたぶん濡れに強いです。ファン側に磁石が仕込んであり,白い部分がコイルで,軸は真ん中に差してあるだけで固定していません。リニアモーターのように浮いて回っていると思われます。
設計思想としては,僕が好きな富士通のエアコンに近いのですが,後ろの爪があまりにも立派で,メーカー側が「分解できません」とおっしゃるのも分かる気がします。
しかし残らずきれいにしたいエアコンクリーニング業者としては,ファン後ろ側の立派な溝を見ると,「分解しなきゃきれいにならないでしょう!」と感じるのです。
やはり組み立てにも時間がかかり,3時間ほど使いました。
ファンの組み立てには問題が発生しやすいです。このダイキンのエアコンの場合,左側のゴムに仕込まれたベアリングへの差込が完全でなかったらしく,びっくりするほど大きな音をたてました。試運転で成功したと思って2台目を洗っているときに音がしたのです。(大汗
さらに2台目の東芝は,左側に壁があったのでモーターだけを抜きました。きちんと戻したつもりでしたが,2時間ぐらいしてから音がし始めたそうです。再度お伺いし,ファンをいちばん右寄りに固定して復元しました。
お客様には冷風扇を向けていただいたり,飲み物を出していただいたりお世話いただきました。Nさま,長時間のお付き合いまことにありがとうございました。
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2010年8月12日|コメント (0)|トラックバック (0)
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