全自動洗濯機の分解クリーニング
当店の洗濯機クリーニングのページには「あれはできない」,「これはできない」と書いてあるのですが,実はお請けしているケースもあります。東芝製,日立製風乾燥機能付き(底面がほとんど回転翼),温風乾燥機能付きなど。
お客様が気づかないでご注文になったケースなどで突きあたり,なんとかこなしています。この記事で取り上げる3台はどれも他のお掃除で入らせていただき,簡単に見せていただいた上でお請けしたケースです。
ですが,今は分解の難度より,洗濯槽自体が分解できるかどうかの方が気になります。
時間をかければ洗濯機の分解はできると思うのです。ですが,メーカーが洗濯槽を分解できないように組み立ててしまっている場合は,糸くずと黒カビが相当量残り,それはどうしても除去できません。
傾向としては,洗える洗濯物の量が大きくなるほど(7キロより上)外れないような気がします。何か安全上の理由があるのかもしれません。・・・でも技術で乗り越えて下さい。設計技師の方へ。洗濯槽はステンレス胴から他のパーツがすべて外れるように設計してください。
先月末の,ぬで島町H様宅の東芝製2台。1台は温風乾燥機能付き。お許しを得て,2台とも外に出して洗いました。
東芝製は内槽を錆びやすい鉄製の4本ビスで固定しています。2年ほどでこんなに錆びています。恐る恐るインパクトで外します。このビスが外す段階でねじ切れたらメーカー修理になります。しばらく使えません。これが東芝製お断りの理由です。5年以内の使用なら何とかなるかも。
分解が終わるとお客様を呼び,ご覧いただきます。今回もデジタル一眼で撮影されました。
お客様は汚れの程度に驚きを隠せない様子でしたが,これはまだ軽い程度です。この1台目は内槽が分解できませんでした。ナオキンさんに電話したら,「東芝・・・外せないのもあるね」とのこと。無理をして壊すのは本末転倒なのであきらめました。
2台目もこんな感じ。
こちらの方が前から使っていて,新しいのを買ってからお店用に降ろされたそうです。
こちらは内槽から底面のパーツが外れそうな気がします。まわしながら1ミリづつ浮かせていくと,ガバッと外れました。
約5センチほどステンレス胴の重なった部分が,糸くずとカビのアパートのようになっています。分解しなければきれいに出来ないのが分かると思います。せめてこの部分がつるつるの平らな表面なら隙間からの水流でかなりいけるのですが。
2台で5時間以上かかったでしょうか。洗濯機はどうしても時間がかかります。「丁寧に洗っていただいて・・・」と喜んでいただきました。H様,ご利用ありがとうございました。
さてもう1台は13日に洗ったナショナル製。箕郷町K様宅。温風乾燥機能付きです。これも時間がかかりました。時間がかかった原因は上蓋周りの面倒な構造が一つ。組み立て時に内槽が傾いてしまい,再分解したことが一つ。これは組み立て始めに直せることが分かりました。もう一つはお客様が純石鹸で洗濯されていたこと。
内槽が中心軸から抜けません。初めてTOPギヤプーラーを使いました。ゆっくりと上がってくる様子は何か感動的です。
すさまじい汚れでした。
この記事の3台は,エアコン用洗浄機を使い,内槽底は高圧洗浄で洗いました。跳ね返りが多く自分がびしょびしょになります。外でなければできませんね。
純石鹸で洗われている場合,特に内槽底面がひどいことになっています。アルミパーツなどについた動物性脂肪のような付着物は水圧でも洗剤でも取れず,地道にケレンしなければなりません。
純石鹸をお使いになる場合は,石鹸を温水で溶かすこと,理想としては軟水機を使って水質を調整することが必要です。普通の水道水で冷水で洗われると,金属石鹸や石鹸カスが洗濯槽外側に堆積します。
というわけで,手間暇お金をかけずに洗濯するには,石鹸より洗剤が便利です。洗剤にもいろいろあります。ちなみに当店使用のタオル類は,ある方に教わった「パウダーNEO」で洗っています。過炭酸塩も添加して使っています。
さて組み立て時に内槽が傾いた場合・・・,再分解して槽の外側を懐中電灯で照らしてわかりました。外槽は四隅からスプリングをつけた鉄棒で吊られています。それが1本外れていました。外で洗っていたので洗濯機全体がかなり傾いていました。その傾斜で外れたのでしょう。原因が分かれば直すのは簡単です。
洗浄後の試運転で相当量のカスが出ます。このナショナルも内槽の底が外れなかったのですが,あの重なった場所から出てくるんですね。結構においもあります。
時間をかけて徹底的に洗っても出てくるカス。いくらか無力感。
それなら自分でできるからと,お客様に促されるまま帰ってきました。今回もお茶とお菓子を持たせていただきました。K様,ご利用ありがとうございました。
2011年10月14日|コメント (0)|トラックバック (0)
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