水が漏れるエアコンのクリーニング
甘楽町の歯科クリニックのS先生から,3番診察室のエアコンから水が漏れるのでクリーニングしてほしいというご注文をいただきました。
こちらのクリニックには昨年からお世話になっています。床の定期清掃をしている友人から,「信頼できる業者」という肩書で(照,ご紹介いただきました。
昨年はクリニック開設3年目ということで天カセ3台,壁掛け5台を洗いました。
今年に入って6月に使用頻度の高い1番診察室のエアコンが水漏れするということでクリーニングのご注文。機内に汚れは感じられず,サクションポンプでドレンパイプを吸っても,特に水流を悪くするような固形物は出てきませんでした。とりあえず通常の分解洗浄を行ない,ドレンホースにも高圧水流を差し込みました。
クリーニング後は水漏れが収まったそうです。収まらなければ困るんですが,自分の中では原因をつかめずすっきりしませんでした。一番怪しいのは隠ぺい配管と室内機設置の関係です。
今回は時間に余裕があったので,たくさん写真を撮り,自分なりに原因を考えました。
まずは,分解洗浄の様子をスライドでお送りします。通常の家庭用エアコン室内機とちょっと違う部分もあるのですが,当店のエアコンクリーニングの流れを見ていただけます。
室内機の外観は普通の壁掛け型ですが,これは業務用パッケージエアコンの分類です。三菱電機の「シティマルチ」と言われるタイプで,室外機1に対して複数の室内機がつながっていて,室内機はそれぞれのリモコンで個別の操作が可能です。
電源ケーブルがないのを確認していただけると思います。配電盤に行き,電灯200Vのブレーカで室内機の電源を落とします。化粧板を開けると,右下に大量の配線が詰まっています。Fケーブルは仕方ないとして,信号線はもっと細いのを使えないんでしょうかねえ。あまりにもかさばっているので,化粧板が膨らんでいます。
さて,水漏れの原因についてです。写真をご覧ください。
ドレンパンには残水がありませんでした。ドレンホースにはたっぷり残っています。このドレンホースが水漏れの原因だと思います。
室内機の左下に壁開口部があり,隠ぺい配管しています。塩ビのドレン配管は目視できません。たぶんもう少し先でつながっているのでしょう。問題は,ドレンパンの右下から排水していることです。そうなると室内機下部をドレンパイプが真横に通ることになります。
通常の壁掛け型の場合,ドレンパンは左右に排水口があり,左で落とす場合は左にドレンパイプをつなぎます。(右はゴムふたでふさぎます)。ところが,この機種のドレンパンには左に排水口がないのです。
隠ぺい配管で左抜きは,個人的には賛成です。室内機周りに空間があれば,クリーニングも室内機入れ替えもしやすいと思います。これは,室内機のドレンパンに問題があります。三菱電機なのに・・・。もしかしたら,左抜きのドレンパンを持った型も選べるのかもしれません。
写真を見ていただくとわかるとおり,右から出たドレンパイプは冷媒配管に上を抑えられる形で左方向に向いていて,勾配がありません。こうなると室内機下部のホースには常に水が残っています。スラムができやすく,わずかに水流を遅くします。温度・湿度の高い日に冷房すると,排水が間に合わなくなるのだと思います。
今回もピアを溶かした洗浄剤(ピアはもともと配管洗浄剤です)をドレンホースに流し込み,さらにお湯で洗いました。クリーニング後に冷房運転しましたが問題なし。
設計図がないのでどこにドレン排水しているか分からなかったのですが,今回発見しました。冷房時の排水も確認。
でもたぶん1年ごとに洗う必要が出るんでしょうね。室内機のドレンホースの取り回しを変えられれば違うと思いますが,室内機をいったん外す必要があると思います。あるいはもしドレンパンを交換するか加工して左から落とせるようにしたらいいですね。それが現実的かも。
水漏れエアコンについての考察でした。S先生とお父様,ありがとうございました。
2012年9月28日|コメント (0)|トラックバック (0)
カテゴリー:日記
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