業務用壁掛け型エアコンクリーニング

業務用壁掛け型エアコンクリーニング

藤岡市小林のS様から,お見積りしてあった業務用壁掛け型エアコンのクリーニングをご注文いただきました。Sさん宅のエアコンクリーニングに伺ったのは昨年9月,その後ご実家にご紹介いただき,そして今回の業務用4台も見積りさせてもらいました。

ダイキン業務用壁掛け型エアコンで,室内機の型式はFAYP-112Bで4台,ドレンパンなどには03年2月の日付が押されていましたので,ちょうど10年を迎えたことが分かります。室内機サイズは壁掛け最大の160センチ。初めてのエアコンクリーニングとのことでした。

(ちなみにダイキンでは,現行の11.2キロワットタイプの壁掛けは120センチ幅にサイズダウンしています)。

設置は特殊な状況です。詳細は控えますが,伝統的な日本建築の建物で,しっくい壁に設置されており,室内機の上面まで床から3.2mある高所設置です。壁はもちろん濡らしてはいけないものが多くあり,養生が必要です。良かったのはしっくい壁に直接ではなく,厚さ3センチほどある板材を張り,それに室内機が据え付けられていたことです。見積りのときに見て,これなら何とかなりそうと思いました。

実際の作業は,同業の西山さんと二人で行うことになりました。誰か手元をしてくれる人を紹介してもらうつもりでいたのですが,やりくりして本人が来てくれました。頼もしいです。

6日は1月の成人の日のような雪になると予想されたので心配しましたが,積もるほどではなくて助かりました。

朝Sさんが出迎えてくださり,照明と暖房をつけてくれました。普段はエアコンの近くにあるものも除けてあります。ご準備ありがとうございます。

最初の問題はブレーカの所在でした。Sさんに案内してもらった配電盤は家庭用で,1個エアコンと書かれていましたが,それでは電源が落ちません。あの大きなエアコンに電気を送る配線とブレーカはそれなりにごついサイズのはずです。室内の部屋を見て回りますがありません。外を見て回りますがありません。一応室外機の基盤の部分も開けてみますが,しっかり固定された端子のみ。手元のブレーカを下げて作業しろと書いてあります。

建物の外に100Vと200V別々に引き込みのポールがあり計量器がついていました。そしてその下にスチールのボックスがあります。ここかもしれません。よく配電盤で使われている鍵が付いていて,ただでは開きません。この鍵を買っておかないといけないですね。スパチュラと六角レンチで何とか回して開けます。

ありました。メインブレーカの後に2系統のブレーカ。エアコンは2台マルチが2系統ですからこれに違いありません。無事に電源オフを確認。200Vのブレーカがどこにあるかわからないというケースは意外に多いのです。

そんなドタバタがあって脚立をかけます。2.1mの脚立の最上段に3m足場板を渡すとぴったり。今回は足場板があって正解の作業でした。

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Sさんが足場の上にいる僕を見て,「人が近くにいるとエアコンの大きさが分かりますね」とおっしゃいます。パーツがそれぞれ大きいです。今回グリル(正面のプラスチックフィン)が幅全部の1枚でした。もちろん内側は金属のフレームで補強されています。

一枚はすっきりした設計だけど,基盤部分ぐらいは別になっていてもいいのではないかと思います。普段はダイキンの設計は分かりやすいと感じているのですが,この機種は指摘したいことがいっぱいある造りでした。だんだん書きます。

写真を撮ると言ったら,西山さんがパーツを洗い場に持ち出す前にキレイに並べてくれました。心配されていたほどパーツは汚れていなくて,こうして全部を写すと洗浄前後の違いが分からない程度です。(洗った後も同じようにキレイに並べてくれて撮ったのですが,そんな理由で今回は使っていません。西山さんごめんね。

では,クリーニング前後の写真です。熱交換器は洗浄後がピンぼけになった関係で,前後が実際には別のものです。

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10年使っていても使用回数は少ないそうです。ただ煙を吸うことがあるので汚れているはずだということでした。たしかに熱交換器は黒くなっています。洗浄前の写真で,手前側に細く汚れていない部分がありますが,そこが本来のアルミの色だと思います。洗浄中の戻り臭はその煙の臭いですね。

汚れはまだタール状に変化しておらず,洗剤差し込み段階でどんどん汚れが落ちて行きました。洗浄液は温水ピア+少量のアルカリ助剤の構成にしました。すすぎも温水。

パーツは外で漂白剤を使って丁寧に洗ってもらいました。1日目は雪の降るなかで大変だったと思います。僕は暖房付き高所作業だったので汗ばむほど。

だいたい予想していた時間でクリーニングを終えることができました。1日2台ペースで2日間。

写真3枚目はバラエティです。

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基盤他,外したものは並べてみると意外に少ないです。ビスの形状は数種類あり,ちょっと面倒。右上の写真は,ビスの位置が悪いという写真。ファンモーター固定の金具のビスが細管に隠れる位置です。上部で配管を支える板金具を外して,手でよけながらビスを回すという面倒。

他にもドレンパン固定のビスを隠すプラパーツが異常に外れにくい(はめるのは簡単)とか,ルーバーを動かせないのに,干渉する位置にドレンパン固定ビスが1本あるとか,モーター軸の側のクロスフローファンが抜きにくいとか・・・。ちょっと難のある設計でした。

使用機材はマキタの高圧洗浄機。動噴では得られない圧力と水量で,今回も大活躍でした。特製のホースで50度超の温水でも問題なし。心配の種はワンタッチカプラで,これはもうひとつ上のレベルがよさそうです。

2日目のお昼にサイゼリヤに行こうとしたら別のお店に代わっていたのでそのまま進むと,いっちょう藤岡店の手前に台湾料理の看板。650円のランチとあったので寄ってみましたが,これが大当たり。おいしいしボリューム満点です。ペンキの匂いがする店内で,開店間もないのでしょうか。このコストパフォーマンスで混んでいないのはおかしいと思います。店員さんたちは中国語で話しています。日本語はまだ聞きとれない言葉もある模様。


無事にエアコンの動作確認もできて,Sさんに見ていただきます。風が強くなったような気がするとか,ルーバーの動きがスムーズだとか,パネルが白くなったとか感想を言ってくださり,盛りたてて下さいました。お気持ちをありがたく思います。データとしては,風速強,暖房,20度設定での洗浄前後が,4.8m/s→5.4m/sで12%改善,吹き出し38度が40度で5%改善。フィルターも熱交換器も風速を妨げるほど汚れていなかったので,数値的には大きな変化にはなりませんでしたが,トータルで改善しているでしょう。

このたびは当店のご利用ありがとうございました。そしてさすがの仕事ぶりの西山さん。お世話になりました。

2013年2月 7日|コメント (0)トラックバック (0)

カテゴリー:日記

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