フロアコーティング
高崎市江木町の新築マンション,I様邸にてフロアコーティングのご注文をいただきました。ご購入が決定した昨年夏にはお話しをいただき,早々に日程も組ませていただきました。
当店のコート剤はシリコンです。ホームページでは「ガラスコーティング」というメニューになっていますが,樹脂ワックスよりも硬く仕上がり,美観が長持ちすることをイメージしての命名です。地元で施工も手掛けている(有)大弘商会から仕入れているのですが,良質のシリコンを使っているので美観が長持ちします。仕入れルートが単純なので一般的な価格よりかなり安く仕入れられます。それで施工単価も安くなります。
建築工事中からの話でしたので,売主に引き渡しのワックスを塗らないようにお願いしてもらいました。実際にはノーワックスの床だったので,どのお部屋もサービスワックスなしで引き渡しだったかもしれません。通常のフロアコーティングは,剥離洗浄が関係するのでもっと単価が上がりますが,新築でワックスが塗られていない床の場合はお得だと思います。洗浄+コーティングで施工面積60平米を10万円を切るお値段で!
話がそれますが,高崎駅付近で伺うマンションのお部屋で,ワックス剥げ剥げのお宅を見ます。ノーワックス,あるいはウレタン塗装仕上げのフロア材に,引き渡し清掃の業者が通常の樹脂ワックスを塗ったのだと思います。フロア材には専用に開発されている高密着の樹脂ワックスが良いと思います。あるいはフロアコーティング。
施工予定日の2日前でしたが,下見をさせていただきました。オプション施工のあった関係なのか,床はマットを通り越して埃っぽい状態です。Iさんは迷っておられました。ノーワックスでマットな仕上がりの床で,販売側はこのままの使用を勧めているようです。確かにそのまま使えば歩行路線は出ませんし,傷や汚れも目立たないだろうと思います。
やはり実際の仕上がりを見ないと判断できないと思い,クロゼットの中の1枚にコート剤を塗ってみました。きりっとした艶が出て,巾木が鏡のように写り込みます。Iさんは即決されました。「塗ります!」。
今回の床材は,仕様書で確認したとことろ,朝日ウッドテックのノーワックスフロア材でした。パンフレットによるとEBコーティング+オレフィン+硬質パワーシートで,擦り傷・打ち傷に強く,メンテナンスフリーと書かれています。いわゆるフィルム系のフロア材ですね。もっともワックスを塗る場合は,リンレイハイテクフローリングコートを推奨とあります。
一応樹脂ワックスの使用も認めているのですから,下地処理をして塗るシリコンなら問題は起きないでしょう。
というわけで予定通り,朝9時から洗浄+コーティングの作業に入らせていただきました。鍵も預けて下さいました。
ドアまで外すかはその状況にもよりますが,ドアストッパーは外した方がいいですね。今回はリビング入口のドアだけ外しました。外すのは簡単ですが,ほとんど天井高に近いサイズなので移動に神経を使います。
細工のある場所には最強系のフロア材用接着剤が残っていることがあります。大抵の溶剤には溶けないので,削る方向です。今回は1枚刃で削り,メラミンで擦ると非常に効率的に除去できました。
次に洗浄です。幅木の下やフロア材の目地に入り込んだホコリを意識しながらモップで水を撒き,すかさずバキュームします。この洗浄後の段階がメーカーの目指している床美観です。
そして乾燥させながら養生テープを貼ります。壁際は刷毛塗りなのですが,全体塗布用のパッドをしっかり壁に押しつけながら塗るとキレイに仕上がるので巾木は全体に養生します。
養生が終われば,ダストコントロールのモップがけ,そしていよいよ下地剤塗布です。今回は床材がほとんど吸わないからなのか,軽いパッドさばきで下地剤を塗れました。表面だけでも天然木材を使ったフロア材のときとは違います。
ここでお昼休憩。20度を超える暖かい日です。ですがまだご入居が完了していない部屋の多いマンション室内は意外と寒い感じです。
下地剤乾燥を確認したら仕上げのシリコンコート剤です。仕入先では5時間硬化乾燥タイプと,8時間タイプを売っているのですが,当店は8時間の方を使います。ちょっと厚めに塗り上がる感じがします。午後2時過ぎから塗り初めて3時ごろ終了。照明は消しましたが,換気扇は回し,エアコンには硬化までの時間でタイマーをセットします。(シリコン硬化にはある程度の湿度と温度が必要で,床温度10度以下は施工できません)。そんな1日目の工程を4枚で。
2日目は午前中が別の現場だったので,午後養生を剥がしに伺いました。養生を剥がしながら塗り残しや目立つ抱き込みを確認,修正します。塗り残しはありませんでしたが,刷毛の毛など数か所目立つのがありました。
かなり気をつけていますが,本当にわずかな,細いホコリでも斜めから見るとその凹凸が見えます。表面が平滑な仕上がりのフローリングの場合,人間の目にははっきり見えてしまいます。工場でスプレー塗装する塗膜のようにはならないのでご了承願います。
ちょうど養生を剥がし終わったところにIさんが来てくださり,お引き渡しです。玄関を開けるときは,かなり期待と不安が混ざったご様子。ドアを開けると,「わぁーいいじゃないですか!」。
濡れたような光沢なので,「先に入ってください」と言われ,先に入りました。Iさんも後ろを振り返りながら入って来られます。コート剤表面に滑り止め効果のある微量の油分が出ています。最初は歩いた跡が目立つことがありますが,拭きとると戻りますので心配しないでください。シリコンですので,水分や洗剤に強いです。
リビングに入り,とても気に入られた様子で写真撮影。「ありがとうございます,塗って良かったです」と嬉しい言葉をいただきました。
そんなわけで気を良くして,3つの定点撮影を掲載いたします。
リビングダイニングを南西方向に。
この奥にもう少し寄ってみます。
第一印象を決める玄関からのアングル。
キッチン床は汚れやすい部分ですが,洗剤を使っても心配ないので気にせずお料理できます。
あれ,4枚になっています。撮りすぎでしょうか。Iさんへのご報告と,マンション床のコーティングをご検討中の皆様への比較材料としてご提供いたします。
I様,このたびは新しいお部屋へのフロアコーティングをご用命下さり,ありがとうございました。
2013年3月 6日|コメント (0)|トラックバック (0)
カテゴリー:日記
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