京壁はがし
若いころからお世話になっている工務店の社長さんから手伝いを頼まれました。
京壁をはがす作業です。
「霧吹きで水を吹いて,皮スキでこそげ落とすだけで簡単だよ,私でもできる作業なんだから」といつもながら「それならやってみようかな」と思わせる魔法の言葉。
実際の作業は簡単で楽しいくらいです。畜圧噴霧器で比較的たっぷり水を吹き,スクレーパーでこそげると,簡単に剥がれます。京壁の厚さはわずかなんですね。その後比較的毛足が長くて腰のあるブラシで掃くようにすると,見事にきれいに取れて行きます。
水が垂れてもいいようにと思って床の壁側を550ミリのマスカで養生しておいたのですが,壁砂がいい具合にそこに落ちます。
ところが問題は大工さんの作り付けの棚と,エアコンです。
棚は木ねじが見えないと思ったら,すべて釘で作ってありました。2寸の釘やスクリュー釘が使われています。側板に溝が切ってあり,棚板にもそれに合わせて細工された,組み物でした。いまどきの大工さんは,こんな風に細工したり,まっすぐ釘を打ったりするのかな。
それに社長さんは何も気にしていなかったけど,エアコンは外さなきゃならないでしょ。
というわけで,僕はなに屋さん?という感じの作業も追加。
でも,エアコン室内機の取り外しは,完璧なクリーニングをしたい場合は必要な技術になるでしょう。
このお部屋は,天井と床を木曽檜の無垢板で張り,壁面は漆喰を塗る予定。木曽檜の節の赤さと目の込んだ感じは他では得られないものなんだそうです。
この工務店の仕事は道楽っぽいのです。「時間が経つほど味わいが出る本物を作る」というのが方針です。仕上がるにつれて勝手に材料をグレードアップすることも多いです。見積もり以上に取らない方針なのに,どうやりくりするのか謎です。
こうした経験も,また役立つときが来るでしょう。
当店の公開中サイトは
2010年2月 5日|コメント (0)|トラックバック (0)
カテゴリー:日記
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